サイン制度と花押

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平安時代に花押というものが流行しました。
もともと署名を草書体にしたのをさらにくずしたものがはじまりで、
見栄えを整えるためにデザイン的に洗練されていきました。

姓名から二字の字画をとって組み合わせ、新しい一字をつくり、筆で記します。
そう、字面からイメージするにいかにも紙に押すと印判の一種かと思いがちですが、
どちらかというと一見印鑑を押したかのようにデザイン的にした、サインのようなものです。

署名押印という文化は海外の多くの国にはありません。
たいていの国では重要書類もサインだけでいいですよね。
日本だとサインだけというのはむしろ、印鑑より下位の扱いですよね。
実際、署名押印の制度を作った明治政府も、
西洋にならってサイン制度にしようかと考えたことは考えたのだそうです。
ただ漢字でのサインは筆記体のそれと違い、
偽造しやすいという理由から本人証明の手段としてはサインだけでは不適切という判断だったのだそうです。

しかし書き判というもの自体は現代にも残っていますし、
花押もあまり一般的に馴染みがありませんが残っています。
花押は一般の意味の書き判とは違い、押印としての効力が認められていますから、
宮公庁での決済などに用いられています。
一般人で自分の花押を持っている人はなかなかいないでしょうが、
持っていれば遺言書の署名などに使うことが認められています。
サインの一種といえなくもないのに、
なぜサイン制度が導入されていない日本で花押ならいいのかというと、
普通の漢字ではないので個性が出て偽造しにくいからだそうです。

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